心を全部奪って

「もうっ。相変わらず意地悪だよね」


息を切らしながら、怒った顔をするひまり。


「ごめんごめん」


ひまりが可愛いから、ついいじめたくなるんだ。


「-で、なんて書いたの?」


「ん?」


「さっきの絵馬のお願いごと」


「そんなに気になる?」


「うん…」


俺が書くことなんて、一つしかないのに。


ひまりの肩を抱いて、そっと引き寄せる。


顔を覗き込んだら、ひまりが大きな目をパチパチとさせた。




「ひまりと同じだよ」




俺がそう言うと、


彼女は真っ赤な顔をして


恥ずかしそうにうつむいた。




別にそんなこと



神様にお願いするまでもないんだけどね



だってこの俺が



ひまりを手放すわけないんだから





だけど 



同じ気持ちでいてくれたことが



嬉しかったから



ちょっと泣きそうになった