心を全部奪って

朝食を食べた後、私と拓海君は手を繋いでブラブラと散歩した。


細い路地を抜けて川沿いに出ると、自転車に乗った人や、同じように散歩をする老夫婦とすれ違う。


今日は雲ひとつない秋らしい青空。


二人の髪を撫でる風も、とても心地良い。


私と拓海君は、途中立ち寄ったお店でおでんをテイクアウトして食べたり。


かと思えば一つのアイスクリームを二人で分け合ってみたり。


たまたま見つけた小さな児童公園で、一緒にブランコに乗って遊んだりした。


拓海君との散歩は寄り道ばかり。


特別どこかへデートに出かけなくったって、どんな小さなことでも人一倍楽しむ彼だから、一緒にいると飽きることを知らない。


「ひまり、見ろよ。

こんなところに神社がある」


「わぁ、本当だ」


全然知らなかったな。


「ちょっと寄ってみるか?」


「うん」


私達は手を繋いだまま階段を駆け上がった。