心を全部奪って

少し息が苦しいけど、こうしていることが嬉しくて。


私も霧島君の背中に腕を回して、ぎゅっとしがみついた。


これでもかっていうくらいに、抱きしめ合う私達。


そのうち霧島君が、私を抱きしめたまま左右に揺れ始めて。


それが踊ってるみたいで、なんだかおかしくて。


思わずクスッと笑ってしまった。


「ったく、素直じゃねーんだから」


私の肩に顎を乗せたまま、霧島君が言った。


「俺のことが好きなら、もっと早くそう言えってのー。

焦らすのが好きなのか?

もったいぶりやがって」


チッと舌打ちが聞こえる。


「ちが…っ」


な、なんか急に強気になってない?


さっきまでの泣きそうな霧島君はどこへ行ったの?


「そういう悪い女には、おしおきだな!」


「えぇっ?」


何をされるのかと身構えたら、いつの間にか私はソファーに横になっていて。


霧島君に両手首を押さえつけられていた。