心を全部奪って

「……き…」


「えっ?何?

よく聞こえなかった」


どうしよう。


なぜか声にならない。


「大丈夫?」


必死に頷く私の頭を、ぽんぽんと撫でてくれる霧島君。


「私、ね…」


「うん」


「霧島君の、ことが…」


「うん」


しゃくり上げる私を、霧島君は優しい目で待ってくれる。


私は意を決して、もう一度大きく深呼吸をした。


「……好き」


口にした途端、勝手に身体中が震え始めた。


どうしよう。


止まらないよ。


そんな私を見た霧島君は、にっこり笑って。


黙ったまま


私の背中をそっと引き寄せた。