心を全部奪って

「悪いけど、俺は行く」


「拓海!」


俺を掴んでいる日高の手を、ゆっくりと外した。


「いやだ…。

行かないで」


「ごめん…」


「どうしてなの…?

もうあの子は会社にいないのに…。

どうしてあんな子に執着するの?

いなくなれば、忘れると思ったのに……!」


日高の言葉に、俺はハッと顔を上げた。


「お前、まさか…」


「え…?」


「お前なのか…?

あの写真を、一斉送信した犯人は…」


俺の問いに、日高の唇が震え始めた。


やっぱり。


間違いない…。


犯人は、


コイツだ……!