心を全部奪って

なんだよ!


イラッとしつつ振り返るとそこには、俺と同期の日高桃香が立っていた。


「日高…。

お前、何してる?」


こっちは急いでるんだよ!


その手を離せ!


「拓海。どこへ行くの?」


「は?」


「どこへ行くのかって聞いてるの」


なぜか怒った口調の日高。


「お前に関係ないだろう?

いいから離せよ。

急いでんだ」


「行かせないわよ…」


「な、に?」


「朝倉ひまりのところへは、


絶対に行かせないわよ!」


日高の口から朝倉の名前が出たことにビックリした俺は、目を大きく見開いた。