心を全部奪って

佐伯さんの言葉を聞いて、俺はやりきれない気持ちになっていた。


申し訳ないだなんて…。


なんでそんなふうに思うんだよ。


そんなこと思わなくてもいいのに。


申し訳ないって思うくらいなら、俺の電話に出てくれよ。


本当にそう思ってんなら、俺に直接会って謝罪してくれればいいじゃないか。


どうして避けるんだよ。


あんまりだ……。


「あの、霧島さん」


「ん?」


「ひまりちゃん、地元に帰るみたいですよ」


「え……?」


今、何て言った?


「彼女、今のアパートを引き払って。


親元に帰るんですって」