心を全部奪って

「えっ。だ、誰?」


あまりにビックリして、ちょっと大きな声が出てしまった。


誰?この人。


なんで朝倉の席に座ってんの?


「初めまして。

今日からこちらで働くことになった原田と申します」


「ちょっ。ど、どういうこと?

ここで働くって。

朝倉は…?」


俺の問いに、原田って人が戸惑ったような顔をする。


その時だった。


「霧島君」


課長に呼ばれた。


なんだかよくわからないまま、課長の席へ行くと。


課長は席を立って、俺を窓際まで誘導した。


「霧島君、メーカー研修でいなかったから知らないと思うけど。

実はね、朝倉さん退職したんだよ」


「はぁぁっ?」


思わず大きな声が出てしまって、課長がシッと人差し指を立てた。


「どういうことなんですか…?」


なんでアイツが退職?


俺がいない間に、


一体何が起こったっていうんだよ!