心を全部奪って

はいと返事をして、課長のデスクの前に向かう。


私の正面に座っている課長は、なんとも複雑そうな顔をしていた。


「朝倉さん。

今から大至急で、人事部の大沢部長のところへ行って欲しい」


「え、人事部ですか?」


どうして、人事部に…?


「さっき内線があってね、すぐに来て欲しいそうだよ」


「わ、わかりました…」


一体、どういうことなんだろう。


人事部なんて、入社の時にしかお世話になっていないのに。


事務所のみんなの視線を感じつつ、私は階段を下り、人事部のあるフロアへと足を運んだ。


人事部に到着すると、大沢部長は私に手招きをして、応接室へと招き入れた。


とりあえず座るように言われて、私はソファーにそっと腰を下ろした。