心を全部奪って

なんだか不安な気持ちのまま、事務所に向かう。


美帆ちゃん、怒ってるのかな?


昨日食堂で会った時は、普通に話したはずなのに。


「おはようございます」


事務所に着いて、私は亜由美先輩に挨拶をした。


すると亜由美先輩はビックリしたような顔をして、パッとすぐに顔を背けた。


え…?


亜由美先輩まで、どうして…?


ぎこちない足取りで歩いて、自分の席にゆっくり腰掛ける。


営業の鈴木さんも高橋さんも、パソコン越しにチラチラと私を見るけれど。


いつものように仕事を言いつけて来ない。


一体。


みんなどうしたの?


何かおかしい。


絶対おかしい。


その時だった。



「朝倉さん」



課長が私の名前を呼んだ。