二人が向かったのは、第一会議室。


あたしは二人が入ったのを確認した後、第二会議室に静かに入った。


うちの会議室は、一応仕切りがしてあるけれど。


沢山の人が集まる会議の時は、この仕切りを端に寄せれば、大会議室として利用することが出来るんだ。


だから、ちょっと壁が薄くて。


ぴったり耳を付ければ、


会話が聞こえなくもないんだ。


こんなところで聞き耳を立てている自分が、なんだかちょっぴり情けない。


単に会議の準備なら、これほど恥ずかしいことってないよね。


だけど、拓海が彼女とどんなふうに会話するのか知りたいから。


あたしは息を殺して、二人の会話を聞いた。


だけどそのことが、


あたしをひどく驚かすことになるのだった。