心を全部奪って

会いたかった…?


私が、霧島さんに……?


「そ、そんなの…。

よくわからないよ」


思わず逸らそうとした顔を、霧島さんにパッと両手で真っ直ぐに向き直された。


至近距離で目が合って、もう本当にどうにかなってしまいそうだった。


「あんたの心にも、俺がいるはずだ。

違う…?」


「ま、待ってよ」


そんなふうに見ないで。


全てを見透かしたような瞳で。


私のことを見ないで。


「俺は、すげー会いたかったよ。

会いたかったから、ここまで走って来たんだ。

やっと…。

やっと自分の気持ちがわかったから」


霧島さんはそう言うと、


私の頬を包んでいた手を背中に移動させて、


私を力強く抱きしめた。



「俺…。




あんたが好きだ……」