心を全部奪って

「どうして今日、同期の飲み会を抜けたと思う…?」


「え…?」


「アイツらの反対を押し切ってまで、無理矢理帰ったと思う…?」


「ど、どうしてですか…?」


霧島さんの顔が苦しそうで、


なんだか私も苦しくなっていた。


「本当にわからない?」


「わ、わからない…」


「いい加減、気づいて。

ここまで話したんだから」


「霧島さん…?」


グラリ観覧車が揺れたかと思ったら、


いつの間にか霧島さんは私の隣に座っていた。


突然の行動にドクドクと心臓の音が速くなっていく。


どうして。


どうしてこの人は、


いちいち私をドキドキさせるんだろう?




「俺…。



あんたに会いたかったんだよ…」