心を全部奪って

このまま行けば、第一営業部に異動出来るだろうって。


部長にそう言われた矢先。


知ってしまったんだ。


あんたと工藤課長が不倫していること。


俺、愕然としたよ。


すげーショックだった。


なんでよりによって工藤課長?


既婚者じゃねーか。


俺の方が絶対先にあんたを見つけたはずなのに…。


どうやってあんたにアプローチしたんだろう?


どうやってあんたを口説いたんだろう?


そう考えると、やりきれなかった。


皮肉なことに俺は今頃になって、念願叶って第一営業部に異動が決まって…。


見て見ぬフリしようって、そう自分に言い聞かせたけど。


隣の席にいるあんたを見るたびに、どうしようもなく胸が苦しくなるんだ。


悔しいやら、腹が立つやら、憎らしいやら。


気が変になりそうだった。


だから飲み会の夜、ああやってあんたを脅した。


部屋に入れるまで、そんなつもり一切なかったのに。


二人きりになった途端、止められなかった。


自分でも何やってるのか、さっぱりわからなかったよ…。