心を全部奪って

観覧車に並ぶ列は、次第に短くなっていって。


いよいよ、私と霧島さんの番になった。


移動する観覧車に慌ただしく乗り込むと、係りの人がガチャンと扉にロックをかけた。


私は外側に、彼は内側に向かい合わせで座った。


次第に地上から離れていく観覧車。


見える景色がどんどん広がっていって、美しく光り輝く夜景が見え始めた。


「わぁ…。やっぱり綺麗」


「だな。

乗って良かった」


夜景も海の景色も。


嫌な気分を吹き飛ばすには、最適かもしれない。


私達はしばらく黙って、東京の美しい夜景を眺めた。