恍惚と、うっとりと。

ルイスはジョンの体をドリルで抉り続ける。

穴を開けられる度に、傷口から噴き出す白い人工血液。

「いいよなぁ、完全義体化サイボーグは。なまじ頑丈なだけに、そう簡単に死なない。長く楽しめる」

「ぐ…」

傷の痛みに耐えながら、ジョンはルイスを睨む。

「いいねぇ、その目」

今度は親指のメスに変えて、ジョンの胸板に傷を刻み込む。

「機を窺って腰の高周波ブレードやカーボンナイフを抜いて、俺に反撃しようって面だ…まだ諦めていない、最後まで逆転を信じている面…そういう面が…」

ルイスはジョンの腰から高周波ブレード、同じく腰と右足首のカーボンナイフ、そして右大腿部のホルスターに入ったMARK23ピストルを引き抜く。

「希望を失って絶望に変わる瞬間が最高に堪らない」

そしてそれらを、全て投げ捨てた。