それはむかーし、むかし。


といってもまだ約1ヶ月前の話だが


私と目の前のこの男、金橋 高槻(かなはし たかつき)はなにを隠そういわゆる幼なじみというやつなのだ。


この金橋 高槻はルックスもよく頭脳は学年トップクラス、部活ではキャプテンを務めるほどの実力。


つまり、モテ要素を全て詰め込んだ完璧超人なのだ。


そんな完璧超人が人気者じゃないはずがなく


中学時代はこの男のせいで散々な目にあった


1年生のとき、金橋に目障りだと公言され、同じクラスになった途端、やつのパシリにされた。


そこからが地獄のはじまり


毎日、パシられる日々。


掃除当番を交代させられるのなんて当たり前


委員会、日直、その他諸々ことごとくやらされた。


学年が上がるにつれそれはどんどんエスカレートしていき、ついにはクラスの男子のほとんどからパシられるようになった。


女子からは幼なじみを利用して人気者に近づく邪魔者、
男子からは、都合のいいパシリだったため、
恋愛はおろか、友達すら満足にできず、自由で満足のいく学校生活がおくれなかった。


中学時代の唯一の友達は、小学校から一緒の原 美南(はら みなみ)だけだ。


そんな生活から抜け出すためにあいつの行かなさそうな高校を選び、こっそり受験をしたというのに


まさかの最悪な再会をしてしまった。