「よぉ」 「っな、なんであなたがいるのっ」 「それはこっちのセリフ」 『ねぇ、あの子かっこよくない?』 『うわ、本当だ。ちょー顔キレイっ』 『声かけてみようよっ』 あちこちから聞こえる目の前の人物を賞賛する声 そのせいで私は中学時代を思い出し全身に悪寒が走った。 私がこのだれも知り合いがいない高校に来たのには訳があった。 原因は紛れもなく、目の前で胡散臭い笑顔を振りまいているこの男。