開かれた窓の上部、横に細長く表示された窓の空白に

【アルビノ】

 そう打ち込んで検索ボタンを押す。
 昨夜はぼんやりとして、自分でもよくわからなかった感情。
 まだはっきりわかったわけではないが……どうやら彼女に惹かれているらしい。彼女のことを知りたいと思った。
 出来れば、もう少し一緒にいたい。
 蒼太には、彼女が目を覚ましたら提案しようと思ってる事があった。
 そしてその為には、彼女の事をもっと理解する必要がある。
 彼女の抱えるものについて、蒼太は全く無知に等しい。
『紅葉さん……どう思うだろう? 何言ってるんだって笑われるだろうか?』
 自分が言おうとしてることは多分突拍子のないことだろう。面食らう彼女の顔が想像できる。

 それでも、気持ちは動き出してしまったから……

 テーブルに向かい座った蒼太のすぐ傍らで、静かな寝息を立てている紅葉をちら、と見下ろす。
 そっと手を伸ばし、彼女の髪を撫でてみた。
 それは絹糸のように細く柔らかい。

 もっと撫でていたかったけれど……

 起こしてしまいそうな気がして、すぐに手を離した。