それが蒼太だったのだ。

 アルビノは視力が弱い。見たいものを見ようとするとかなり近づいて見なくちゃならない。
 だから結構近づくまで、そこにいる先客が何をしているのかわからなかった。
 ずいぶん近づいて、彼がどうやら晩酌してるらしいと、ようやくわかったのだ。

『かわってるなぁ……』

 第一印象だった。
 でも不思議と危ないかんじはしなかった。
 ちょっとホッとしたのと同時に、すごく喉が渇いているのに気がついて、つい、声にでてしまったのだ。

「いいなー。うまそーだねー」

 そのときの蒼太の驚いた顔が頭にうかんで、紅葉の顔に思わず思い出し笑いが浮かぶ。