雷はゴロゴロと鳴り、空を黒く覆う雲。いつもにも増して天候が悪い。


これだから、梅雨は嫌いだ。

雨に濡れるし、雷怖いし、雨音うるさいし。なんのメリットもない。

自然現象に愚痴をこぼしたところで、何にもならない。

少なくとも、私は分かっているつもりだ。



―――生徒会長たるもの、何事も現実的に。

父に言われたこの言葉。どうも私には理解出来ない。というか、したくない。


父はお硬い公務員で、警察官。

家にいないことが多いくせして、生徒会長に就任した時に限って家に帰ってきた。

そして、私に向かって


「生徒会長おめでとう。生徒会長たるもの、何事も現実的にな」


それだけ言ってまた仕事。しかも、棒読み。


何なの?私に対する嫌味か何か?


父は私が眼中に無い。あるのは仕事。


私は一度も親の愛を感じたことはなかった。