その扉の向こうに


「誰から?」

「おばあちゃん。私がずっと預かってた。もし知紗に好きな人が出来たら渡してって」

「でもおばあちゃんって私達が生まれた時にはもう…」

「いいから。そこに書かれている事をちゃんと読んで」

会った事がないおばあちゃんからの手紙。おばあちゃんは私が生まれる少し前に亡くなった。私の名前、知紗という名前はおばあちゃんが付けてくれたという。

でもどうして私に手紙を?

私は佐保ちゃんに促され、封筒を開いた。


知紗ちゃん

初めましてになるのかしら。貴方がこの手紙を読む時、貴方はいくつなのかしらね。

この手紙を書いたのは知紗ちゃんに、お願いがあるからです。

あなたがいつか誰かを心の底から好きになった時、どうかその人と結ばれて欲しいのです。

おばあちゃんのおばあちゃん、そのまたおばあちゃん達には、心の底から好きな人がいました。

だけど、その人と結ばれる事はありませんでした。何度も生まれ変わっても、どんな時代でも、どんな身分でも、です。

知紗ちゃんはきっと心の底から好きな人に出会えるでしょう。

おばあちゃんには分かるの。だから今度こそ貴方に幸せになって欲しいのです。

知紗ちゃん、どんな時でも貴方の運命の人を思う気持ちを諦めないで下さい。

おばあちゃんより