†バー恋†~初めてのクリスマスイヴ~確かな愛

「あれ……」

 自然に頬を伝う温かいものを拭う。

 一緒に居られる事が幸せだったのに……。

 あたしは自分のワガママに後悔してた。

 翔吾の気持ちも考えず、イヴの日に一緒に居られないだけであんなに、怒ってしまった。

 馬鹿だ……。どうしようもない……。

 イヴが特別な日なんかじゃない。

 一緒に居られる一瞬で毎日がイヴみたく輝いているのに。

 忘れていた。あまりにも毎日が優しい時間に包まれていたから……。

 今はどうしようもなく、翔吾に逢いたい……逢いたい……逢いたいよ……。


 膝を抱えて身体を丸くした。

 揺れるキャンドルの向こうに翔吾の幻を見ていた。