†バー恋†~初めてのクリスマスイヴ~確かな愛

「えっ、いいです!あっ、でも話も聞いてもらっちゃったし買います!お金払いますから!」

 ケーキを持ったまま、バックの財布を探した。

 慌ててたせいか、お金をばら撒いてしまった。

「あ~すいません、今払いますからっ!」

 お金を集めて、おじさんを見た。

「えっ……」

 居ない。居ないというよりは消えてしまったようだった。

 店頭前の台もなくなっていた。


 ケーキを持ったまま呆然とする。

 最後の一つが片付いたから帰っちゃったのかな……。


 不思議な空間に落ちたようだったけど、おじさんが掛けてくれたおまじないが嬉しくてあたしは大事にケーキを抱えて家に帰った。