真っ赤な空、カラスが鳴いてる。
泣いてる?
カラスは泣くの?
ねぇ、カラスは泣くのかしら?
泣くのかしら、泣くのかしら?
……
「うっさいなぁ!私がしるか!カラスは泣くか泣かないかは知ったことか!」

寝ぼけている、髪はぐしゃぐしゃ、ベットも、布団もぐしゃぐしゃ。

髪の毛に絡んだままのゴム紐、服は所々シミがついている。

この子はクロ、雨宮クロ、双子の片割れ、元気な女の子、口が悪い女の子。

「どうしたの?クロ。」

あくびをしながら出てくる女の子、この子はまだクロよりはずっとマシである、この子は、シロ、雨宮シロ、クロとシロ、双子の子。

「おはよー、シロ。お腹すいた。」

2人共育ち盛りの子供です、寝起きであれど、沢山食べるのです。

「軽く食事にしようか。」

シロは、キッチンへ向かう、冷蔵庫を開けてタッパーを取り出す。
大きな白いタッパー、赤黒い物が透けて見える。
肉?のようだ、カパッとタッパーを開く、やはり大きな肉だった、表面がぬらぬらと紅く光っている。

シロは、包丁を取り出し二つに切り分けた、ややアンバランスな大きさだ。
切り分けた肉を熱したフライパンにのせる、背が足りず台に乗らなければならなかったが、手慣れた様子である、肉は血の滴るようなレアに焼き上げる、とても子供が好みそうな焼き加減では無い。

普通の子供なら生臭い肉など食う気に慣れないだろう、増してや硬い筋だらけの肉などは。

「出来たよークロ。」

パタパタと走るシロ、クロはまだ鏡とにらめっこしていました。

「今行くよ、待ってて!」

クロもリビングへ走った。
さあさあ、おぞましい晩餐へ行きましょう?