あたしの時間なんて気にしなくていいのに。
「わかった。どんな風に撮るの?モデル立ちとかしちゃう⁈」
いきなり、篠原くんはお腹を抱えて笑う。
「写真のコンセプトは自然体。自然に動いた姿を撮りたいんだ。」
屋上で自然に動くなんて無理だよね…いつも来ない場所だし。
「幾つか指示は出すけど…フェンスだからな…うちの学校…」
...いつも何を撮ってるんだろう…。
なんだかすごく不思議だよ…
「いつもは空とか、あの天文部用のとこだけは手すりだからあそこから撮ってるからなぁ…。運動部の練習風景とか、街とか。」
「そうなんだ。…!じゃぁ、あたしも習い事の練習する!」
「…結城さん何を習ってるの?」
「ダンス!ジャズとヒップホップと、モダンバレエと…」
「それだ!」
一番あたしが自然体で居られるのは衣装を着て、踊ってる時。どんな曲でも。
「ダンス部には入らなかったの?」
「あー…苦手なんだよね…なんていうか、ダンスが好きって言うより、目立ちたいとかおしゃべりしたい、みたいな人たち。」


