「…やっぱり、それを狙ってたのね。」
キスしたらお菓子くれるのかな…
「目、つぶってよ。」
可愛くて、身長もそんなに私と変わらない。でも、少し背伸びしなきゃ、届かない。
控えめにリップ音を鳴らした。
ほんの少しだけ小さく、控えめに。
嘉人は目を開けると少ししゃがんで、また、控えめにリップ音を鳴らした。
「ごちそうさま。」
ズルい。ズルすぎるよ。
お菓子の代わりなのか、イタズラなのかわかんなくなったじゃん…
「知香ちゃん?」
「…」
「あれ、なんか怒ってる?」
「怒ってないよ。」
別に、怒ってなんかない。


