みんなで一通り騒いで、下校時間前に片付けて帰る。それは普通のこと。
「…楽しかった?」
「うん。楽しかったよ。」
散々騒いで起きながらも、なんだかんだ万智ちゃんはあたしが決めたことならと納得してくれた。
そういえば、今日はみんなにやられっぱなしだったな。
「篠原くん、トリックオアトリート。」
にっこり笑って見る。
「…お菓子持ってないや…」
朝のあたしみたい。
「イタズラは、したくないから一個命令するね!」
「なんか趣旨が違うような気もするけどいいよ。」
せっかくだから一番いいたいことを言ってしまおう。
「来年も再来年も、おじいちゃんとおばあちゃんになっても…トリックオアトリートって言ってね。あたしも、お菓子は用意しないから。」
「上等。」
二人してまた笑って互いのおでこをコツンと音を立ててぶつけた。