考え抜いた末、あたしは撮影現場に行くことにした。


理由は、簡単。


生のコイツを見れば、あざ笑えると思ったから。


“ほら、カッコ悪い”って、後ろ指をさせると思ったから。


必死になれば、このご時世。


そういう情報も、なんとかなるもんで。


あたしは、本物のヤツを見ることに成功した。


もちろん、遠巻きだけど、目の前で動く本物の藤城王河。