その日の夜、
私は用意をして奏汰くんの家の
チャイムを鳴らした。
部屋、のほうが正しいのかな
マンションだから。
「ん、いらっしゃい」
『お邪魔します…』
シンプルで綺麗な部屋だった。
「とりあえずそこ座ってて」
私は奏汰くんに言われた通り
ソファーに腰掛けた。
『えっとじゃあ改めて自己紹介、
俺は 橘 奏汰、辰也と同じ大学同じ学部。
君のことはよく辰也から聞いてたから
名前ぐらいは知ってる!
なでこ、ちゃんだよな?」
『あっ、はい…
えっと 旭川 撫子です…』
「敬語なんかいいって」
そう言って奏汰くんは優しく笑った。
なんだ、
もっと怖い人かと思ってた…。
『ありがとう、
あの…本当にお世話になっていいの?』
「んー?もともと一人暮らしだから
1人や2人増えたとこで
なんもかわんねーよ、気にすんな」
大きな手が私の頭を撫でた。
「とりあえず風呂沸かしてあるから
入ってこい、
そのあとご飯でも食べながら
ゆっくり話しようぜ」
それから、私と奏汰くんの
半共同生活は始まりました。