眠れない夜には




お兄ちゃんのお葬式には
たくさんの人が来ている…


でもわからない、

まだ信じられない、

なんでみんな泣いてるの?
なんでそんなに悲しそうなの?

なんで…



「ほんとお気の毒ね…」
「まだ若いのに…かわいそうに…」


かわいそう?誰が?

まるで…


まるでお兄ちゃんが死んだみたいに…



「撫ちゃん…」

『佐知子おばさん…』

声をかけてきてきたのは
お母さんのお姉さんの佐知子おばさんだった。

『佐知子おばさん…
なんでみんな泣いてるの?
お兄ちゃんは死んでなんかないよね?』

私の問いかけにおばさんは
ものすごく、悲しそうな顔をした。

「撫ちゃん…もう…もう…」

おばさんが泣いてる意味を
理解したくなかった。