【短編】穴



手探りで、あちこち触れてみた。 


――…冷たい。


ひんやりとしたこの感触。

どこかで感じたことのある感触だった。 


所々に、尖った箇所がある。


これって、もしかして…?


「お兄ちゃん!
お兄ちゃんも早く来て!」

「俺は、無理!
いくらなんでも狭すぎる」

「そんなことない!大丈夫だって!」


嫌がるお兄ちゃんを説得した。


「しょうがねぇな」


観念したお兄ちゃんは、身体を横にしたり、身を屈めたり、はたまた頭から突っ込んだりしながら、なんとか中に入ろうとしてくれた。

半身が入ったところで、お兄ちゃんの腕を思いっきり引っ張った。