【短編】穴



「とりあえず、歩いてみよう」 


狭い道をお兄ちゃんと二人、腰を屈めながら先へ先へと進んだ。 


どこかに、出口があることを祈って。


だんだんと道幅が広くなり、私の背丈でも、十分に立っていられる高さにまでなった。


暗闇のはずなのに、どこからか細い明かりが差し込む。 


「美奈、大丈夫だからな。心配するな!」


後ろを振り返り、笑顔を振りまくお兄ちゃんに、すごく頼もしさを感じた。 


やっぱり、お兄ちゃんの妹でよかった……。 












「おいおい、来てみろよ!」


目尻の涙を指で拭い、興奮して話すお兄ちゃんの後を追った。