【短編】穴




そこには、凄惨な現場が待ち構えていた。 















斧を手にした強盗が、次々と親戚に襲い掛かろうとしていた。 


泣いて助けを懇願しているのは、陽ちゃんちのおばさん。


座布団を被って逃げ回っているのは、裏の正弘おじちゃん。


怖くて、声も出ない。


唾を飲み込むのさえ、躊躇った。


ほんの一瞬だった。


彼らの一人と目が合った。 

――…ヤバい! 


そう思ったときには、身体に電流が走ったような衝撃があった。


隣にいるお兄ちゃんと目を合わせ、すぐさま裸足で玄関の引き戸を開け、逃げ出した。 


「待てーっ!こらー!!」

後を追ってくる男の声がする。