【短編】穴

水の流れている上流に向かって、さらに歩きだすと、小さな小屋を見つけた。 


車庫の裏手に、それは、ひっそりと存在していた。


「なんだろうね?ここ」


手探りで明かりを探すけれど、電球が切れているのか、暗いままで中の様子がよく分からない。 


入り口には、板が何枚も置かれていて、通せんぼにしてある。 


ますます、気になって仕方がない。 


「お兄ちゃん、手伝って!」


「マジかよ!」


嫌々ながら手伝ってくれるお兄ちゃんに感謝しながら、その先にある何かに心をときめかせた。 



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「…えっ?これって…」


「…だよな。こんなに一生懸命、板をどかしたのにさ。おまえ、ちゃんと自分で元に戻せよな!」 


お兄ちゃんに言われた通り、渋々、元通りに直した。