硬直したまま動けないでいる私の周りの静まり返った空気が、徐々に動き出す。


「キャーーー!」


「どうして風家さんが村星君に挨拶して貰えるワケェーーー!?」


「イヤァァァァッ!!王子ーーーー!!」


ウルサ……!


教室のあちらこちらから女子の絶叫が響き渡り、耳が痛くなった。


女の子達は直ぐ様私を睨みつける者と村星君の周りを取り囲む者に別れ、私は凄まじい圧力感満載の睨みに背筋が凍る。


「湖柚、アンタコレどういう事!?」


「アンタって村星君の事嫌ってたんじゃないの!?私意味分からないんだけどっ!!」