スイートプリンスの恋の魔法 ~愛しきビタープリンセス~

フゥ…とちっちゃくため息をついて、机から読みかけの本を取り出す。


どこまで読んだっけかなぁ~~~…と栞を探していると、誰かが私のすぐ右横に立った。




「おはよう、湖柚」




…………へっ?


「「「「えっ!?」」」」


唐突に耳に届いた、穏やかで温かみのある声に、ページを捲っていた動きが止まる。


周りのクラスメイト達が一斉にすっとんきょうな声をあげる中、私はゆっくりと顔を声がした方向に動かした。


するとそこには――――…


「今日はいい天気だな」


ニッコリと爽やかに笑う…村星君が立っていた。