右手を大きく振り上げ、ポーーンと放り投げたボールは、どんどん私達から遠ざかってゆく。


「ワンワン!」


それと変わらない位のスピードで走り出したイブは、ポンッと地面に落ちたボールに食らいついた。


そしてそのまま同じ様に私の所まで戻って来て、“褒めて褒めて!”といった感じに私を見上げる。


「よしよしイブ、お利口さんだねぇーーー」


スッとしゃがんで頭を撫でると、クリクリウルウルのチワワらしい瞳がフニャリと細くなった。


あ~~~、私絶対将来娘が生まれたら、メチャクチャかわいがるよ!


まぁ……ムリだけど。