サラッと当たり前の様に言われた言葉は、オレの心を温かい羽衣みたいに包んでくれた。


湖柚…その言葉、ソックリそのまま返すよ。


女が嫌いでトゲトゲしていたオレを光の世界に導いてくれたのは、お前も同じ。


まだ湖柚以外の女は嫌いだけど、それでもいっか。


「ねぇ、いい加減下ろしてくれないかなぁ…?」


「えーー、このまま家まで連れてきたいんですが」


「ハイ!?家って誰の家!?」


きっとオレ達はまだまだ半人前。


それでも2人でゆっくりと、笑顔の記憶を重ねてゆきたいと思えるのは―――――…湖柚だけなんだから。









――――END――――