「そんなに笑わないでよ!大体村星君が言い返せって言ったんでしょう!?」


まるで待ち合わせの時みたく怒りの煙を上げて抗議すると、ようやく笑いを引っ込めた。


「でも…後悔はしてねぇんだろう?頑張ったな、湖柚」


――ああ。


どうして彼は、こうも私の欲しい言葉を欲しい時にくれるのでしょうか。


まさか本当に魔法使い?それともスマートな王子様?


…どちらでもいい。


王子様でも魔法使いでも、この人は私の大切な人なんだから。


私もちゃんと、返さなきゃ。


「村星君」


「んっ?」


「ありがとう…大好きっ!!」