男がオレより自分がいいよと湖柚に言い寄るのも、女が妬みや恨みをぶつけるのも、全力で阻止してやる。


勝手な事をした償い代わりに満面の(黒い)笑みで宣言すると、3人組だけではなくクラス全員が真っ青になった。


「もう!村星君信じられない!!背中指でツンツンしてやるんだからっ」


「なんかカワイイ事言ってんじゃねぇよ、湖柚」


湖柚と何だかんだ言い合いながらも男女共に牽制に成功したオレは、心が軽い。


身も心も軽いまま、高校生活初めての夏休みが始まろうとしていた。


「村星君、聞いてる!?」


「聞いてますよーー」