スイートプリンスの恋の魔法 ~愛しきビタープリンセス~

家に帰った後、笑いながらそう言ってくれた親父には頭が上がらない。


ちなみに妹と弟も湖柚に興味津々で、特に妹なんて会わせろ会わせろウルサイったらありゃしねぇ。


オレ達の婚約が無しになっても村星家と所家の交流は変わらないし、夏休みが始まったら湖柚をうちに招く気だ。


だけどその前に―――――…


「ねぇねぇ風家さん、夏休み中って、何か用事ある?」


「………んぁ?」


ボーーーッと最近の様々な出来事を思い返していると、何だかやけに明るい声が耳に届いた。


“風家”という名字の生徒は、このクラスには1人しかいない。