「そうか……それ程お前達の気持ちが固いのなら、そうしよう。2人共自由に恋愛しなさい」


「アナタ!何言って……」


「お前だって分かっていただろう?和果と喜仁君が結婚する気なんて無い事を。私は子供達には、心から愛せる人と幸せになって欲しいんだ」


「…………」


優しい笑みを浮かべて語るおじさんに、おばさんは何か言いたそうにしながらも口をつぐむ。


「まぁ、これから喜仁君の御両親とも色々話さなきゃいけないだろうけど…頑張りなさい」


穏やかながらキッパリと言い切るおじさんに「ありがとうございます」と告げ、所家を後にした。