数秒後、“何言ってんですか?”って顔をしながら呟いた湖柚。


そんな彼女の目の前で、もう一度和果の御両親に頭を下げた。


「オレはこの子が好きなんです。だから婚約の話は……無かった事にして下さい」


「喜仁君アナタ………!和果の事守ってくれるんじゃなかったの!?」


眉間にシワを寄せ詰め寄って来るおばさんに対して、罪悪感が込み上げてくる。


おばさんはきっと、本当にオレと和果が結婚するのを夢見てたんだろう。


でも…オレにはムリなんだ。


「お前、やめなさい。喜仁君、和果。本当にお前達は婚約解消でいいのか?」