“和果と結婚する気なんて無いから、言うのはもうちょい後でも大丈夫”


クソ…違うだろオレ。


そうじゃなくて、『その気は無い』って事を、きちんと言わなきゃダメだった。


あの優しい湖柚が、いきなりオレに婚約者がいるって聞いて、平気でいられるワケが無い。


なのに…ああもう!!自己嫌悪でブッ倒れそうだ!!


「あっ、いた!村星君、もう先生来てますよ!早く教室来て下さい!!」


ガラッとドアを開けて姿を現したのは、我がクラスの学級委員長。


学級委員長らしく、かなり真面目で規則重視!のみつあみ女だ。


「………ああ」