湖柚は相変わらず女が鬱陶しいオレにとって、1番大切な女。


そりゃ和果や母親や妹だって大切だけど……“友達”や“家族”とは違う。


“好きな人”として大切な女は、風家 湖柚だけなんだ。


でも………湖柚にはそんな事、ちっとも伝わってなかったんだな……


「バカかオレは………責任転嫁するなんて、身勝手にも程があるだろう」


自分のクラシックモカ色の髪をグシャッとしながら呟いた。


こんなにもせっかく縮まっていた距離をまた広げてしまったのは、オレの責任。


オレが湖柚に、最初から全部話しときゃ良かったんだよ。