いや、本当はずっと以前から薄々自覚していたのかもしれない。


ついこの間まではクラスメイトなのに全く関わりが無くて、女の子には無愛想で冷たくて……苦手だった人気者。


いつしかその人は、私の特別な人物になっていたんだ。


「王子様に恋しちゃうなんて、ウソでしょう………」


すぐ傍にいる村星君にバレない様、小さく小さく呟いた。


ねぇ、神様?


今まで人を信じようとしなかった私でも……人を愛しても、許されますか?


“この人の為に、頑張りたい”


そうやって思わせてくれたこの男の子が、私は大好きなんです。