「う、ん……私頑張る………皆、あ、りがとう……」


ヒックヒックとしゃくりあげながら小さい頃から閉じ籠っていた殻に1本のヒビを入れた湖柚が愛おしいオレは、もう手遅れ。


「バカ、泣くなよ……メイク落ちちまうぞ」


ゆっくりと涙を拭うと、とってもカワイらしい笑顔を貰えた。


湖柚がこうやって笑えるなら、オレは何だってしてやりたい。


もう抑えるのがギリギリなこの気持ちをいつか伝える為にも――――…オレも頑張ろうと決めたのだった。


「喜仁王子、カッコイイ~~~♪」


「黙れ、腹黒ニセお嬢……ってぇっ!!」