一方の猫野は、さっきからずっと同じ所を行ったり来たり。


「こ、このカーディガン、私の月のお小遣い5ヶ月分だ………」


棚に飾ってある洋服や帽子を手に取りながら、0が多い値札に目眩を起こしていた。


「大丈夫だって、和果ならきっと上手くやってくれるだろうから」


「……まぁ……村星君がそう言うなら、私も大人しく待つ事にするわ」


一瞬オレが座っている場所とは違う方向に目線をやり、ファッション雑誌を読み始める鞠目。


湖柚の話だと、鞠目は将来ショップ店員になりたいらしいから、こういうの気になるんだろうな。