あれやこれや考えていると、いつの間にかそれが表にも出ていたみたいで、己園が訝しげな表情で私を見下ろしていた。


ヒィィィィッ!恥ずかしい!私危ない人じゃない!!


「な、何でもないよ!!気にしないで己園!!」


「だったらいいけど………」


慌てて誤魔化すと、再び七智と会話し始めた己園。


私は読みかけの本で顔を隠して、気持ちを落ちつかせた。


「落ちつけ私……落ちつけ私……」


ブツブツ自己暗示をかけても、村星君に対する謎の反応の理由は分からない。


どうして村星君の笑顔を見ると、嬉しくなるんだろう…?